商品研修〜マゲワ〜|秋田本店の風景

秋田本店での商品研修。この日はマゲワシリーズのバターケースと、パン皿について学びました。

雪深い北国で育った天然杉を使ったバターケースは、冷蔵庫のような冷たい環境にもなじみ、バターを適度なかたさに保ってくれます。漆のへらをイメージしたバターナイフ付き。丸型と小判型の2種類がございます。バターナイフを差し込む「穴」は、曲げ輪が重なる集成材部分に開けており、板が剥がれにくいように工夫されています。

白木の天然杉のパン皿は焼きたてのパンの蒸気を適度に吸い、パンが蒸気で蒸れることがありません。天然杉の香りも相まって、トーストが抜群においしくなります。トースト半分の大きさがのるのが小、1枚がのるのが大。テーブルにたくさん並べた時も収まりが良いように、またいろいろな使い方が出来るようなサイズ感になっています。共に2011年にグッドデザイン賞を受賞しました。

デザイナーの大治将典さんと考えた、「マゲワ」シリーズ。その出会いは15年以上前に遡ります。柴田慶信商店が商品カタログの製作を考えていた時、スタジオ木瓜の「一人問屋」日野明子さんにご紹介いただきました。元々グラフィックデザイナーであった大治さんは、大館での打ち合わせの際、図面とボール紙で作った模型をご持参くださったそうです。 大治様との出逢いは、柴田慶信商店に転機をもたらしました。

転機の一つは、2008年発行の商品カタログ。 おひつをはじめとした主要商品が、美しい写真と共に端的な文章で説明されています。32ページの小さな本が強く語り出すのは、柴田慶信商店が大切にすること。カタログ巻頭に掲載されたのは、慶信による「白木でなければならない理由」。現在のホームページでもお読みいただくことが出来ます。ものづくりの根幹部分を明らかな言葉で表したことは、柴田慶信商店にとって大きな一歩です。

もう一つの転機は、マゲワシリーズの誕生。 秋田の工房で白木の効能を知った大治さんは、これではいけないと自分が作った模型を捨て、デザインを一から考えることにしたそうです。ひっくり返したおひつの蓋を見て、パン皿を作ろう!と思い立ちました。
慶信がチベットから持ち帰った曲げ物に着想をえたのが、天然杉のバターケース。3世代にわたって使われていたバターケースからは、ヤクのバターの香りが今でも漂います。

デザイナーの主導ではなく、使い勝手を追求したものを、と大治さんは柴田昌正と共に、検討を重ねました。販売開始当時の雑誌インタビューにて、「作り手と使い手を繋ぐのがデザイナーの役割」と大治氏は語っています。

マゲワシリーズはギフト需要を想定し、各種カタログを参考にしながら価格を設定しております。安定した価格での量産を目指すため、バターケースとパン皿の作りは非常にシンプル。有り難いことにギフトだけではなく、ご自宅用にお求めいただくお客様が多く、現在も人気商品の一つです。

パン皿も掲載されたカタログにて、慶信は「白木でなければならない理由」を次のような言葉で結んでいます。

素材と仕上げは曲げわっぱを使用する場面によって適材適所を常に考えながら、日々製作しております。

これまで学んできたこと、発想、手法は違えど。デザイナーと伝統工芸の職人が手を取り、最適な仕上げ、デザインを備えた、新しい日用品が生まれました。


 大治将典 Oji Masanori Oji & Design 代表 / 手工業デザイナー

日本の様々な手工業品のデザインをし、それら製品群のブランディングや付随するグラフィック等も統合的に手がける。手工業品の生い立ちを踏まえ、行く末を見据えながらデザインしている。手がけたブランドにFUTAGAMI(富山県)、JICON(佐賀県)など。 ててて協働組合共同創業者・現相談役。
公式HPより転載)

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